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2020東京オリンピックに向けた、羽田空港国際便の大増発計画。

アメリカ側の割り当て12枠の暫定配分が報道されてから10日ほどが経ちました。この仮配分に対して、異議申し立てをしたのは、どうやらハワイアン航空のみのようです。

さて、どうなることやら。

 

とりあえずは、暫定配分を受けて、JALはどのように申請を上げるのか、予測を立ててみました。

過去のコラムは以下となっています。

2020 TOKYO OLYMPIC

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暫定配分はこうなった

デルタ航空 SKY TEAM

5枠

デルタ航空が路線申請の際に提示していた優先順位通りに上位から割り当てると、以下の路線が開設されることになります。

  1. 羽田~シアトル
  2. 羽田~デトロイト
  3. 羽田~アトランタ
  4. 羽田~ポートランド
  5. 羽田~ホノルル

デルタ航空 2020 仮 羽田新規就航路線

ちなみに、現状で既に開設されている路線が以下、

  • 羽田~ミネアポリス
  • 羽田~ロサンゼルス

合わせて7路線になります。

デルタ航空 2020 仮 羽田新規就航路線

この5路線が認められると、現在成田の路線はすべて廃止し羽田へ移管するでしょう。

当初からデルタ航空はそれを望んでいましたので、その実現に近づきました。

成田空港からデルタ航空が完全撤退した場合、スカイチームの大型ラウンジがなくなってしまいますね。。

 

又、現状は以遠権を利用して、成田~マニラ、成田~シンガポール路線もあります。羽田からの以遠権は認められていないので羽田移管が実現するとこれらの2路線は運休になることになります。

ユナイテッド航空 STAR ALLIANCE

 

4枠

ユナイテッド航空が路線申請の際に提示していた優先順位通りに上位から割り当てると、以下の路線が開設されることになります。

  1. 羽田~ニューヨーク(ニューワーク)
  2. 羽田~シカゴ
  3. 羽田~ワシントン
  4. 羽田~ロサンゼルス

ユナイテッド航空 2020 仮 羽田新規就航路線

ちなみに、現状で既に開設されている路線が以下、

  • 羽田~サンフランシスコ

合わせて5路線になります。

ユナイテッド航空 2020 仮 羽田新規就航路線

希望していたヒューストンが許可されないとなると、中西部が空白となります。それでも、東海岸、西海外のバランスは取れています。

又、アメリカン航空と比べて2枠も多いのは何故でしょうか?

アメリカン航空 ONE WOLRD

2枠

アメリカン航空が路線申請の際に提示していた優先順位通りに上位から割り当てると、以下の路線が開設されることになります。

  1. 羽田~ダラス・フォートワース
  2. 羽田~ロサンゼルス

アメリカン航空  2020 仮 羽田新規就航路線

ちなみに、現状で既に開設されている路線が以下、

  • 羽田~ロサンゼルス

合わせて2路線(ロサンゼルスはダブルデイリー)になります。

アメリカン航空  2020 仮 羽田新規就航路線

申請をしていたラスベガス線を密かに期待をしていたのですが、ダメでしたかぁ。残念。

ハワイアン航空

1枠

ハワイアン航空が路線申請の際に提示していた優先順位通りに上位から割り当てると、以下の路線が開設されることになります。

  1. 羽田~ホノルル

ちなみに、現状で既に開設されている路線が以下、

  • 羽田~ホノルル
  • 羽田~コナ、ホノルル

合わせて2路線(ホノルルは曜日によってトリプルデイリー)になります。

アメリカ合衆国運輸省(DOT)の思惑は?

この発表がなされた際、私は真っ先に、ユナイテッド航空に有利なのではないかと思いました。

それは同じアライアンスに属していて、ジョイントベンチャー(共同事業)契約を締結しているANAに有利だということでもあります。

これまでの日本の航空業界への貢献度、そして日本にジョイントベンチャーを持っていないデルタ航空に忖度が働いているのはわからなくもないのですが、アメリカン航空ユナイテッド航空に2枠もの差をつけた仮決定には、少々腑に落ちない気持ちです。

 

これを踏まえて、日本側は公平に6枠づつ配分された場合、アライアンス毎のフライトは以下となります。

海外系航空会社枠数日系航空会社枠数アライアンス合計枠数
ワンワールドアメリカン航空3枠JAL7枠10枠
スターアライアンスユナイテッド航空5枠ANA9枠14枠
スカイチームデルタ航空7枠0枠7枠

 

ワンワールドとスターアライアンス間で、4枠もの差が出てしまうのは、JAL&ワンワールド派の私にとっては、非常に悔しい限りです。

JALの出方

さて、ハワイアン航空の異議・申し立ては50/50かなと思って見ています。

デルタ航空にかなり肩入れしている結果だったために、その分、他の航空会社の枠を減らさなくてはいけません。

また、アメリカにとってハワイ州は50ある州のたった1つの州でしかなく、アメリカ経済全体への影響を考えると非常に小さなパイでしかないこと、そしてJALとのJV(ジョイントベンチャー)があることが50/50の理由です。

とりえず、アメリカ側のアメリカ合衆国運輸省(DOT)の仮決定がそのまま本決定になった場合のJALの出方を考えてみたいと思います。

私が考える要素

1・
全米を網羅できるコネクション体制。JVのアメリカン航空ロサンゼルスダラス・フォートワースの2地点だけだったため東海岸と中西部が弱いです。この役割をJALも果たさないといけません。現次点にて、既にスターアライアンスのユナイテッド航空&ANAに比べて、かなり偏りが出来ています。


2・

 ホノルル線のとらえ方。ANAがエアバスA380便を投入しホノルル線は話題もシェアも一気にANAに傾いている状態です。JALとしてはホノルルは絶対に死守したいと思うのであれば、羽田路線にホノルルを投入してくると思われます。

 

3・

新規路線の就航へトライするのか、しないのか。アメリカン航空が希望していて却下されたラスベガス路線、巷で噂が出ているマイアミ路線などでしょうか。

 

4・

際際乗り継ぎ客の取り込み対策。アジア~日本間路線のフライトが成田発着のままの状態で、アメリカ路線だけを羽田発着に変えてしまうと、乗継客の利用が間違いなく減少してしまいます。羽田発着路線は日本人に取っては便利ですが、海外利用者にとっては決して便利だとは限らないということです。

 

上記のような考えを基に、私の予測を立ててみました。

私の予測

シカゴの街並み

1. 羽田(HND)~シカゴ(ORD)
これは絶対に確定だと思っています。シカゴはアメリカン航空のハブ空港でもあり、その先の接続にも優れた空港です。日本人とアメリカ人利用者だけでも充分に採算が合うはずです。

ダラスの街並み

2.羽田(HND)~ダラス・フォートワース(DFW)

これも確定だと思っています。ダラス・フォートワースもアメリカン航空のハブ空港で、アメリカ南部の都市への接続には必須です。アメリカン航空と被りますが、現状でも成田空港で被っていますが供給過多にはなっていません。ただ、成田からの移管が前提です。

ワイキキビーチ

3.羽田(HND)~ホノルル(HNL)

こちらも確定でしょう。

ANAは成田発着のエアバスA380型機があるので、供給量の観点から羽田からは就航させないはずです。エアバスA380型機を羽田空港に就航させるのが一番の脅威ではありますが、羽田空港はエアバスA380型機に対応していません!よかったです。。。

JALはホノルル線をすべて羽田発着にしてしまえば、ANAへ移った顧客を一気に奪還出来るだけの可能性はあります。ただ、ドル箱羽田路線をホノルル線に使い過ぎるのはやっぱりもったいないかな、と。

JVのハワイアン航空と、もっとうまくやっていければいいと思います。

たとえば、日本発着の機内食は、JALとハワイアン航空共通でJALが開発・提供、逆にハワイ発の機内食は、ハワイアン航空が開発・提供、など。

また、日本の地方都市とハワイを繋ぐという視点でいけば、名古屋や関空の経由でも可能です。羽田にこだわる必要はありません。

ということで、1枠は確定、他次第ではもう1枠、というのが私の予測。

ロサンゼルス・ハリウッド

4. 羽田(HND)~ロサンゼルス(LAX)

ここからは、確定とは言い切れない路線が続きます。
アメリカン航空がダブルデイリーとなるので、JALまで就航させるとアライアンスとしてはトリプルデイリー路線になってしまいます。供給過多のような気がしますが、ここもアメリカン航空のハブ空港ですし、以遠の乗継客にとっては、コネクションの良いフライトが多数あるのは見逃せません。ただ、こちらも成田からの移管が前提です。

シアトル・レーニア山

5.羽田(HND)~シアトル(SEA)

成田~シアトル線は開設したばかりですが、日々の空席状況などを見ているととても好調に販売できるいる印象です。これは成田から羽田への移管が前提ですが、更なるアラスカ航空とのコードシェアが出来るかどうかだと思います。アラスカ航空のハブであるシアトルからは、アメリカ西海外北部とカナダ西海岸への接続がとても魅了的。ポートランドバンクーバー、そしてラスベガスフェニックス、ソルトレイクシティへも乗り継ぎよく行くことが可能です。一方、アメリカン航空はラウンジすらなく、シアトルは少し弱い都市と言えます。

マイナス要素としては、際際乗継客の問題。そして、アメリカン航空との関係値。アラスカ航空は、同じワンワールドアライアンス、そしてJV(ジョイントベンチャー)をしているアメリカン航空の競争相手です。闇雲にはアラスカ航空JALとのコードシェアを増やせない事情もあると思います。

※その他、羽田(HND)~ニューヨーク(JFK)を現状の1便に加えて羽田発着をダブルデイリーにするという可能性も高いとも思っています。

マイアミビーチ

6・ 羽田(HND)~ マイアミ (MIA)

これはびっくり枠というか願望枠です。このぐらいの冒険をして欲しい、という願望。絶対に早いうちにANAは南米路線(サンパウロリオなど)の開設を計画してくると思っています。堅実なJALが南米路線を構えることは想像しづらいですが、マイアミであれば、アメリカ南部、カリブ海の顧客も取り込めます。南米へはアメリカン航空やワンワールドのラタム航空との共同運航もありえます。

羽田(HND)~ラスベガス(LAS)でも楽しいですねぇ!

最後に

日本の航空会社への配分と路線決定は今秋と言われていますので、各航空会社内では既に路線決定の大詰めを迎えていると思います。

日本での配分12枠は、JALANAの2社だろうと思っています。

グアムやサイパンであれば、スカイマークでも現状機材で就航も可能ですが、スカイマークは成田からサイパンへの定期便を開始するところですし、その実績が見えない、今の時点でエントリーすることはまずないでしょう。

 

今回は、JALANAに傾斜配分はないと確信していますが、ここがたとえば、ANA7路線、JAL5路線のようなことがあると、今後の公平な競争という意味では、由々しき問題になってくると思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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