空港諸税とは
航空券を購入する際には、空港を利用することに対する税金がかかります。
出国する場合にかかるもの、単純な乗り継ぎでもかかるもの、入国する場合にかかるもの、と大まかにわけて3種類あります。
ほぼ、単純な乗り継ぎでもかかってくる空港が多いため、乗り継ぎ地が多ければ、多いほど、税金は高くなっていくのが基本です。
空港税の名称はさまざま。
例えば日本では、
「旅客サービス施設使用料」
羽田空港:2,570円、成田空港(第一、第二ターミナル):2,090円。
「国際観光旅客税」*2019年1月7日より新設
全空港:1,000円
「保安サービス料」
成田空港:520円
このように空港諸税は、空港によって決まっているため、
単純な航空券代金が同じであっても、利用する空港によって総額がかわってきます。
航空券代金内の空港諸税は重要
飛行機に乗ってマイルを貯める修行僧にとっては、
目的地はさることながら、
航空券総額の費用対効果も気になるところだと思います。
出来る限り安い運賃で多くのマイルを獲得したい!
それには、安いバーゲンフェアを探すのと同様に、
安い空港諸税の都市を知っておくことも重要かと思います。
そこで、主要都市の空港諸税はどうなっているかを調べてみました。
行程は、
2019年4月10日に羽田着となるカタール航空・ビジネスクラス (I)の場合で算出してみました。
すると、
驚くべき結果が出てきました!
以下に、一覧を紹介します。
欧州主要都市・空港諸税一覧
都市 | 空港名 | 税金名 | 税金額 | 総額 |
---|---|---|---|---|
ロンドン | LHR | 航空旅客税 | 24,470円 | 31,210円 |
旅客サービス料 | 6,640円 | |||
パリ | CDG | 空港税 | 2,650円 | 12,140円 |
旅客サービス料 | 3,690円 | |||
国際連帯税 | 5,800円 | |||
フランクフルト | FRA | 空港保安税 | 1,230円 | 10,950円 |
旅客サービス料 | 4,320円 | |||
航空輸送税 | 5,400円 | |||
ベルリン | TXL | 空港保安税 | 980円 | 8,320円 |
旅客サービス料 | 1,940円 | |||
航空輸送税 | 5,400円 | |||
ストックホルム | ARN | 航空税 | 5,090円 | 7,020円 |
旅客サービス料 | 1,930円 | |||
ブダペスト | BUD | 空港税 | 3,320円 | 5,850円 |
保安税 | 530円 | |||
ウィーン | VIE | 旅客保安料 | 1,090円 | 5,760円 |
旅客サービス料 | 2,420円 | |||
航空輸送税 | 2,250円 | |||
ローマ | FCO | 手荷物保安料 | 330円 | 5,490円 |
出国税 | 3,620円 | |||
保安税 | 410円 | |||
地方都市税 | 1,010円 | |||
旅客サービス料 | 120円 | |||
ズーリック | ZRH | 空港旅客保安騒音税 | 4,010円 | 4,010円 |
ザグレブ | ZAG | 旅客サービス・保安税 | 3,710円 | 3,890円 |
出国税 | 180円 | |||
ブラッセル | BRU | 旅客サービス料 保安料 | 3,840円 | 3,840円 |
ミラノ | MXP | 出国税 | 2,300円 | 3,570円 |
保安税 | 340円 | |||
地方都市税 | 810円 | |||
旅客サービス料 | 120円 | |||
ベネチア | VCE | 手荷物保安料 | 170円 | 3,460円 |
出国税 | 1,730円 | |||
保安税 | 560円 | |||
地方都市税 | 880円 | |||
旅客サービス料 | 120円 | |||
アムステルダム | AMS | 保安サービス税 | 1,500円 | 3,300円 |
旅客サービス料 | 1,800円 | |||
マドリッド | MAD | 出国税 | 2,760円 | 3,290円 |
保安サービス税 | 450円 | |||
空港保安税 | 80円 | |||
コペンハーゲン | CPH | 旅客サービス料 | 2,860円 | 2,860円 |
プラハ | PRG | 空港税 | 2,840円 | 2,840円 |
ヘルシンキ | HEL | 旅客サービス料 | 1,090円 | 1,900円 |
保安料 | 650円 | |||
航空運輸監理料 | 160円 | |||
ワルシャワ | WAW | 空港税 | 1,800円 | 1,820円 |
旅客サービスチャージ | 20円 |
そこから見えてくること
空港諸税というものを細かく見てみると、
- 国家としての国税
- 空港の施設利用料
- 空港のある都市の市税
と大まかに分かれていることがわかります。
一覧内のローマ、ミラノ、ベネチアの3空港の場合、
同じイタリア内ですから、国税にあたる「旅客サービス料」は3空港同額です。
一方で、それ以外の諸税は、上の2と3の種類の税金にあたり、空港間でまちまちな金額であることがわかります。
総額として、
同じイタリア内の空港であっても、最も高いローマと、最も安いベネチア間で、諸税で2,000円以上の差異が生じていました。
更に国も超えて見てみると、
空港諸税が高い空港と、低い空港間での差異に愕然!
最高値のロンドン・ヒースロー空港と最安値のワルシャワとの差異は、
29,390円!!
この差額だけで、別の旅行が成立してしまうような金額です!!
最後に
最近は、今回調べた空港諸税に燃油サーチャージまでも含めた、
オールインワンタイプのバーゲンフェアが出てきていますね。
オールインワンの料金表示だと、細かい空港諸税などは気にしなくてもいいのですが、
そういったオールインワンの航空券代金にも、
必ず空港諸税はその中に入っているワケです。
ですから極端なことを言えば、
ロンドン行のオールインワンタイプの航空券で、空港諸税の総額の31,210円以下のものが出てくることは、100%あり得ません。
そして、もし、とある航空会社がロンドンもパリもオールインワンで10万円!という航空券を販売したとしたら、
10万円から空港諸税を抜いた分が航空会社に入る収入となるワケですから、
パリ線を販売するよりも、ロンドン線を販売する方が 19,070円も実入り(売上)が少なくなるワケです。
そういったことを考えれば、
オールインワンタイプの航空券であっても、
空港諸税が安い都市の方が安いものが出やすいと言えると思います。
ですから、こういった知識は、
マイル修行僧には、持っていて損はしないものだと思い、紹介させて頂きました。
コメントはこちら