8月1日、JALの100%子会社である[ZIP AIR]から結構衝撃なプレスリリースが発表されました。
ZIP AIRとは?
まずは、ZIP AIRとはなんぞや?というおさらいから。
今日本にあるLOW COST CAREER = LCC (低コスト航空会社)は、以下。
- MM:Peach Aviation(ANAの連結子会社)
- GK:ジェットスタージャパン (カンタス航空,JAL,三菱商事などの共同出資)
- IJ:春秋航空日本(春秋航空,JTBなどの共同出資)
- JW:エアアジア・ジャパン(エアアジア,楽天などの共同出資)
*バニラエアは、2019年にPeach Aviationと合併して消滅
これらのLCCは、エアバスA320型系又はボーイングB737型系のナローボディ機(機内での通路が1本のみでその左右に座席が並ぶタイプ)を利用していて、短距離路線が中心です。
又、日本の2大航空会社であるANAには、連結決算(実質子会社)としている Peach Aviation がありますが、JALには連結決算又は子会社となるLCCがまだ存在していません。(ジェットスタージャパンは一部の出資のみで、過半数以上の出資はしていません。)
そんなことから、JALが国際線の中長距離路線をメインとした100%出資の全く新しいLCCとして誕生させたのが、
ZIP AIR
という訳です。
ZIP AIRのコンセプト
何もかも叶えてくれるフルサービスキャリアか、クオリティを犠牲にしたLCCか。空の移動はいつまでその2択なんだろう。私たちZIPAIRが目指すもの。それは、今の時代に合ったサービスクオリティと究極のコストバリューを両立する、今までにないエアラインです。空の上で過ごす時間、そのすべてを日本らしい創意工夫で、今、一歩前へ。
Z_ Safety
日本の高クオリティなオペレーションと最新機体ボーイング787を採用し、世界最高水準の安全・安心を提供していきます。
Z_ Human Centric
価値観の多様化。コネクテッド時代。時代とともにお客さまの求めることも変わっていきます。私たちはそんな新しい人たちの、新しいニーズに応えたサービスを提供していきます。
Z_ Value
十分に満足できる飛行機での移動を、お客さまに納得いただける価格で提供していきます。
*ずべて公式ホームページより
今の時代に合ったサービスクオリティと究極のコストバリューを両立する、今までにないエアラインです、と言い切っていますね。
実際に、ボーイングB787型機を採用しているところは、これまでの日本のLCCにはないことです。
ZIP AIRの就航路線
2019年7月5日、
ZIP AIRの使用航空機は、JALから譲り受けるボーイングB787-800型機2機、
総座席数290席で、2クラス制を採用することが発表されました。
同時に運航路線・運航開始予定日も以下の通り示されました。
- 東京(成田)=バンコク(スワンナプーム)【運航開始予定日】2020年5月14日
- 東京(成田)=ソウル(仁川)【運航開始予定日】2020年7月 1日
ZIP AIRのサービスはどうなる?
LCCとフルサービス航空会社(レガシー航空会社)の大きな違いと言えば、以下の通り。
- 預け荷物は有料。金額は重さに応じる。
- 事前座席指定は有料。金額は座席による。前方シートや足元の広い席は高い。
- 機内食は有料。
- 電話での予約は手数料が有料。
ZIP AIR が他のLCCのように上記のようなサービスを完全に別料金にするのか、一部無料で応じるのかなど、サービス詳細についての発表はまだされていません。
他の日本のLCCと違って、唯一違った点の発表といえば、2クラス制を採用していることですね。
ビジネスクラス相当とエコノミークラスということになると思いますが、
このビジネスクラスがどのレベルのシートとサービスになるのかに、注目しています。
現在、シンガポール航空の子会社であるLCC の SCOOT がボーイングB787-800型機 で運航しているので、
そちらのシート配置が参考になってくるかと思います。
以下が、SCOOT のボーイングB787-800型機 の座席配置です。
ビジネス(名称:スクートビズ)21席
エコノミー 315席
総座席:336席。
ZIP AIRは総座席が290席ということなので、これよりも、もう少し余裕のあるシート配置になります。
どこに、余裕が出てくるのか?
- エコノミー&ビジネスのシートピットをもう少し広げる
- ビジネスの席数を増やす
のいずれかということになるでしょう。
上級クラス(ビジネスクラス)のサービスは?
上記で、シート配置について触れましたが、
ZIP AIR の ビジネスクラスについては、横は2席-2席-2席となることは既に発表されています。
ですから、シート幅については、SCOOTよりは確実に広々としてくると思います。
ビジネスクラスについては、現状のJALの JAL SKYLUXE SEAT ぐらいかな、と予想します。
もう少し、ランクアップしているとすれば、JAL SHELL FLAT NEO レベルでしょうか。
また、ビジネスクラスと言えば、エコノミーのサービス以外に付加されるサービスがあります。一般的には以下のようなものですね。
- 専用チェックインカウンター
- 保安検査場優先レーン
- ラウンジサービス
- 優先搭乗
- 手荷物優先引き渡し
- ボーナスマイルの加算
運賃が一番重要なことは揺るぎないのですが、
私自身は、これらのどのサービスが受けられるかによって、ビジネスクラスを利用するかどうかが決まるかな、と思っています。
中でも、ラウンジやマイルはJALとの相互利用が出来るのが理想だと思っていました。
そして、衝撃。
そして届いた、ZIP AIRの2019年8月1日のプレスリリース。
株式会社ZIPAIR Tokyo及び成田国際空港株式会社は、本日8月1日、2020年5月の運航開始日より、成田国際空港 第1ターミナル 北ウイングを使用することを決定しました。
また、本日8月1日より、本社所在地を同ターミナルに移転しました。
【成田国際空港使用ターミナル】
成田国際空港 第1ターミナル 北ウイング【本社所在地】
〒282-0011 千葉県成田市三里塚字御料牧場1-1 成田空港第1ターミナル内
思わず、何度も見返してしまいました。
第一ターミナル? 北ウィング?
???
ZIP AIR は、JALが拠点とする 第二ターミナルではなく、第一ターミナルを利用するというのです!!!
これで、第二ターミナルに設置されている、JALの保安検査場への優先レーンや、ファーストクラスラウンジ&サクララウンジの共用という淡い期待はもろくも崩れ去りました。
ショックですね。
ということは、ビジネスクラスの搭乗の際でも、ラウンジの利用は不可、もしくは海外の空港のように、多くの航空会社やカードの上級会員との共通ラウンジの利用となるのでしょう。
ただ、日本で初の国際線中長距離LCCです。
これまでの常識が通用しないのも当然と言えば当然です。ですから、まだまだ、衝撃は続くかもしれません!
早く、サービスの詳細の発表をして欲しい!!
ZIP AIR に 目が離せなくなりました。
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